「FATZER」を楽しんだのは誰か?


清流劇場「FATZER」が終わって、はや一週間。
しか~し!仕事は続くよ、毎日ね。
仕事および、観劇、映画鑑賞、などもあって、休まずの一週間でしたが、意外と元気です!
で、今回見に来てくださった皆様、ありがとうございました。

はい、まあ、難解な戯曲でしたね!
わからない!という感想が最も多ございます。
もっともです。異議なし!

丸2ヶ月以上読んできた私たちが、本番でやっと、「ああ、これこう言う意味のセリフだったのか」と思ったくらいですから。
しかも、全部解明できてない!のですから…

でもこんな感想も頂いたんです
「見ている間中、切なくて切なくて…辛かったわ」
「戦争が無くならないということ、なにかの本質に触れた気がします」
「戦争はいかんなあ」
「空腹は戦いの元ですね」

ともかくも、なにか、考えだしました、と言われるととても嬉しかったです。

この芝居を見てくれたお客様の中に、私の知っている限り、2人の小学生がいました。
ひとりは、清流劇場の写真を撮っていてくれた写真家の娘さん。
写真家ご本人は、一年前にガンで亡くなってます。
私は付き合いが浅く、直接は存じ上げません。
が、奥様とそのお子さん、彼女とは会ってます。

彼女の正直な笑い声が会場をひとつにしてくれて、
身を乗り出して見つめてたと思ったら、
目をそらせたり、
最後に私が撃たれたところでは、「ほんとに死んでないよね」とお母さんに聞いたとか。

観劇後も、小さい男の人だと思ってた私が、小さいおばさんだったのに戸惑いつつも
「なんで戦争するの?」と涙したりしてるそうです。
言葉の意味などわかるはずもない彼女の心が、ぶるんぶるん動いて、
争いへの嫌悪と疑問がうまれた…最高だと思うんです。演劇のせいかとして…

もう一人、私が担当しているひまわりの生徒。
どうだったかなあと思ったけど、
お母さんによれば、「おもしろかった」って言ってたそうで、
本当はも少し、一緒に来たお父さんの反応も聞きたかったけど、時間なくて残念!
で、本人の感想一番
「先生が歌ってた歌が、最後のだけ感じが違ってかっこいいなと思いました」
「どれ?カーテンコールの歌か?」
「はい」
「それは、良い観察力だぞ!そうだ、確かに違う!」

感想です。
彼の感想。
彼が感じたこと。
これを言えなくなってる大人が多いのです。
分析とかいらない、まず、感じたことを言えるか?

それはとにかく事実なのです。真実なのです。正直なのです。

で、答え。
「劇中は、私はFATZERとして歌ってるねん。だから、FATZERの気持ちで歌わなあかんねん。
でもカーテンコールは、もう役じゃなくて、私が言いたい気持ちを込めて歌ってるねん。だから違うねん」

彼は「役で歌う…?」的な反応でしたけど、
そこを感じるのかってのが、面白かったですね。

誰が「FATZER」を楽しんだのかというと、
一番は俳優じゃないかなと思うんです。
こんなに、遠いところにいる人間をやる、
毎日変化する相手役を見る。
自分が別物になっているのを感じる。
体の痛みさえ、演じてる実感になる。
しんどいけどね。
そんな喜びを最後まで感じてたんじゃないかと思うんです…私だけ?

で、実際は、まっすぐ、空気を吸うように見た小学生が一番楽しんだのかもしれないです。

そんな芝居でした。
お疲れ様でした。



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by futu-is-best | 2015-03-15 00:01 | 表現すること