「会議」が育てたこと

ひまわり研究科春公演
別役実作 「会議」が終了しました。

観ていただいた方々からは、
様々に熱い感想をいただきました。

熱い感想が生まれる作品にできたことが、成果そのものかと思います。

しかし、いろいろな配慮の結果、AプロBプロを作って、
二つの役をやらなければならない人たちがいたんだけど、
これは、演出として、ごめんなさいです。

そんな簡単に、人間が入れ替われるほど、生やさしい本ではなかった。
役者さんに申し訳ないことをしたと思います。

それでも、すべてを舞台上でなんとか吸収し、前へ進め、
緊張感を切ることなくやり切ったかれらの成長度のすごさは驚きです。
とにかく、本番には手出しができないのですから。

ほぼ初舞台という人間もいたのに、
大きな破たんなく、ちゃんと芝居を観たという感想をいただいたのですから、
素晴らしいです。
いや、経験がないから、
純粋に頑張れたからできたのかもしれないですね。

余分な経験も思い込みもないからこそ、
まっすぐ、やらねばならないことへ向かわせたのかも。
やっぱ、「素直」は最高の能力なのだ。
学習の場ではね。

「会議」は、場所は一か所、時間軸もまっすぐです。
リアル80分を、別の人間として生ききるというのは、
役者でも、そう経験できるものではありません。
そういう本が少ないですからね。
通しをやると、緊張だけで、へとへとになってました。
喋らないけど、そこには居続けなければならないし、
いるという事は何かしら生理的には動き続けているわけですからね。

しかし!
今日、反省会なるものをやりましたが、
冷静に、誰かのセリフが飛んだ時のフォローも考えながら、
計算したわけではないけど、その役が自然と動きたい衝動を感じて、
その役の人物を深く感じたという
奇跡のような経験をした者もおり、

身体の感覚にこだわり、
身体の集中力にこだわり、
アンテナの広がりにこだわってきた甲斐があったと思うわけで、
その基礎的な所を強化していくと、
いかなるタイプの戯曲にも対応できる俳優になるのだと確認。

俳優養成という概念を定着させるためにも、
ここら辺にこだわった連続的レッスンができる何かしらの場を作らねばと思う。
その思いが強まる。

そして、指導者を育てなければと思う。

私の知っていることは全部吐き出す。
吐き出せる場所を作らなければ。

う~ん、頑張る。
頑張らねば…。
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# by futu-is-best | 2016-04-11 21:08 | 指導者として

「表現者=大人」であって欲しいわけです。

劇団ひまわり研究科春公演「会議」も明日のワンステージを残すのみとなりました。
この四年、研究科を受け持って、
半年に一回公演を打つというハードな環境でした。

お金を頂く公演なので、作品としてのクオリティにはこだわってきたつもりです。

「下手だけど、いい芝居をする」

自分たちのためだけのの充実感が、成果にはならない。

表現者として真の充実感を得るためには、
どれほどストイックに戯曲に、言葉に、人間に、そして、自分に向き合わねばならないか、
伝えたいのはそのことです。

それが分かれば、みんなちゃんとした表現者=大人になるんです。

別役作品は、難しかったです。
会話の展開が甘くなると、もう、何のために喋ってるのかわからなくなるし、
クソ面白くない芝居に成り下がります。
それでは、お金をいただくわけにはいきません。

そのために彼らには、芝居とは何か?俳優とは何か?と、問いかけ続け、働きかけ続けてきました。
細かな細かなことを要求しました。
ほぼ、初舞台の演劇初心者に対する要求としては、ハイレベルだったと思います。
が、要求しなければ、答えるために頑張ることもないのです。
頑張ってくれたと思います。
考えて、想像して、発見することは大変です。
しかし、そのことは、彼らにとって、楽しかったみたいです。
本当に、楽しく苦労することを感じたかもしれません。

彼らは、頑張りたいと思っているのだと思います。
何かを、熱を持ってやりたい、やったという実感を感じたいと、思っているのです。

不条理劇をやって、人間を信じられる気がすると思う。
おもしろいものです。
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# by futu-is-best | 2016-04-09 22:41 | 指導者として

終われば、次が来る…のね。

門真ルミエールホールさんでの、
この春、一回きりの「桜の森の満開の下」も「終了しました。

なんでしょう?
身体の芯の疲れを、実感する3月でした。

いつも、芝居が終わると、
しばらく、いくらでも眠れるという日々が続き、
本当に「骨から疲れが染み出して来る」と思い、
「骨休め」という言葉を実感しつつ、
染み出し尽くすまで、やたら寝るのだが、
寝てらんないと、骨の中に疲れがたまってるのがわかるんだということがわかったわ。

次は、4月8,9,10日のひまわり研究科春公演、別役実「会議」。

いやあ、ひまわり研究科では、様々なことを経験させていただきますわ。

別役作品をやることになるとは思いもしませんでした。

が、凄い!
ホンマに凄い作品だと思う。

音のニュアンスがちょっとずれると、全く言葉が無駄になるというか、
無駄を超えて、邪魔になる。

人間が、普段何をやっているのか、
そのすべてが現れてなんぼ。
無意識の意識化という、俳優として最も難しい表現を要求される。
さて、さて、どんなものに仕上がるのか。
しかし、難しい。
繊細だ。
繊細にできればできるほど、スリリングだ。
人間そのものに近づいていく。
…おもしろい、そして、恐ろしい。

昨日見た、MONOの「裸に勾玉」は、その無意識を、
古代の未分化な感情を現代人が現代語化するという事で顕在化して見せた。

今、世間に取りざたされている様々な出来事に関して、
様々思う。
演劇をする意味を考えながら、研究科のみんなの成長を願いながら頑張る!

それが終わると、新しい仕事が始まる。
大阪芸術大学舞台芸術学科で、ミュージカルコースのヴォイストレーニングの講座を担当します。

また、ひとつ、現場を増やします。
う~ん!頑張る。
自分がやってきたことを、全部若い子に伝えたい。

と、おばちゃんは自分なりに前に進むのだ。
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# by futu-is-best | 2016-03-27 22:20 | 日記

清流劇場「賢者ナータン」終わりました。

「賢者ナータン」終了しました。
ありがとうございました。

はあ、喋りました。
清流劇場は、三回目の出演でしたが、
三回目のタイトルロール。
芯をやらせていただくことの責任の重さが
ありがたく嬉しくもあり、
しかし、その責任の重さはやはり半端ない。
もう、セリフ付の数ヶ月でした。
電車の中でも、
お昼ご飯の時も、
寝る前も、
頭の中にセリフが回る。

でも、とにかく覚えなくてはならないわけで、
スキマの時間があると、
セリフ返してないと、悪いことしてるみたいですもんね。

なんとも贅沢な話です。
そう、セリフが多すぎる!
なんてね。

鍛えていただいております。

しかし、お客様には、
思いのほか素直に喜んでいただいて、
古典の力を思い知りました。

ホンマに、古典作品はすごいです。
普遍的なテーマが300年を超えてながれています。
こういう作品を、若い人と、作っていくことも
演劇の一つの意味だなと思います。
私の役割なだと思います。

次は、ルミエールホールでのひとり語り「桜の森の満開の下」
稽古します。
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# by futu-is-best | 2016-03-14 21:41 | 日記

チェーホフさんと仲良しになってたことを発見!

2月14日は
恒例となっている、岸和田割烹うおりさんでの冬のひとり語り公演。
バレンタインでーなので、恋愛ものということで、
チェーホフ「犬を連れた奥さん」を。

もう何回目かの「犬を連れた奥さん」だ。

2015年~2016年年明けにかけて、
「葉桜と魔笛」「藪の中」と、結構ハードな作品が続き、
演出家との三角関係公演も、
「菊枕」、「蝶」「チョコレートを盗め」
と、なかなかにハードな作品続きで、
結構、体力気力を消耗したのですが、
今回、「犬を連れた奥さん」を稽古してみると、
「ああ、なんて軽やかなの!」と小躍りしたくなりました。
詩的なリズムの心地よさ、
描かれる世界の広がりと、
それを扱う手触りのおしゃれさといいますか、
いやあ、チェーホフさんと仲良しになってたんだなあ!と思ったりして…ははは。
私のひとり語りの中でも、異色の作品かもしれません。

まだ少しお席余裕あります!
バレンタインデーに、軽やかなるチェーホフワールドへ是非!
http://blog.livedoor.jp/hitorigatari2001/archives/47302884.html
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# by futu-is-best | 2016-02-11 11:13 | ひとり語り

やるぞ!「宮本輝と林英世と山口茜と」

「宮本輝と林英世と山口茜と」。
明日から三日間、4公演。
始まります。

この企画では、
作品も、演出家に選んでもらいます。
私のことを、どのように知っているか、
ひとり語りを、どんなものと思っているか、
朗読というか、リーディングというか、語りというか、
そういうものを、どういうものと思っているか、
どんな世界観を持っているか。

宮本輝さんは、意外でした。
なんにしろ、男の世界ですからね。

でも、ここにきて、
やっぱり、勘というのはすごいなと思います。

「蝶」を読むことは決まっていて、
ちょっと、尺が短すぎる!ということになり、
もう一本を選んだとき、二本まで絞り込んだとき、
「どっちも、面白いと思うんですけど」
という、山口茜ちゃんに
「ひらめきで!」
選んでもらった作品「チョコレートを盗め」。

2作品は、微妙に重なり合い、影響しあって、
宮本輝の世界を、形作っていきます。

面白いなあ。
と、現場で、みんなで感動してます。
変でしょうか?
変ですね。

この変なことが現場では本当に起こります。

当日券もあります!
どんなものなのか、
是非一度、体験してほしいと思うんです。
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# by futu-is-best | 2016-01-22 01:00 | ひとり語り

笑っちゃうような本当の話

「宮本輝と林英世と山口茜と」
やっと、自分の中から、宮本輝さんが語りだしてきた。気がする。
ていうか、どこまで行っても、これは自分感覚でしかないので、言い切るが、
しっぽをつかんで引き寄せた。

うん。

引き寄せているで。

こうなってくると、小説を読んでいる時間が
自分が生きている時間になってくる。

ちょっと前までは、
読みながら寝てしまうこともあった。

笑っちゃうような話だが、
ありえないような話だが、
本当の話なのだ。

口は動いているのに、眠くて眠くて、
一瞬落ちたりして…。

読みながら読み手が退屈している。

ひとごとなのね。

だんだん興味がなくなってくるのね、読みながら。
興味のない、学科の授業中みたいな感じ。

あかん。

それでは、あかんやろ!
そうです、あきません。

探して探して、しっぽを探して、
仲良くなれるところを見つけるよう、
求めて求めて…。

大丈夫。
起きてます。
起きて、宮本輝さんと共同作業を始めましたよ。

茜ちゃんがその作業に参加して、
さらに色付けしてくれます!
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# by futu-is-best | 2016-01-16 13:54 | ひとり語り

「宮本輝と林英世と山口茜と」

2016年になっておりますよ。

1月も半ばになっておりますよ。

暖冬だと油断していたら、極さむになっておりますよ。

容赦なく時は流れて、
今年のひとり語り第一弾「宮本輝と林英世と山口茜と」がもう、来週末ですよ!

前回の、三角関係ひとり語り「松本清張と林英世と稲田真理と」とは
全く毛色が違う作品が出来上がりますよ。

宮本輝さんの作品をあまり読んだことがなくて…。
「錦繍」は読んだけどなあ。

実はまたしても、あがいてます。
なかなか、私に作品が姿をはっきりとは見せてくれないんですよね。
ポーカーフェイスといいますか、
まだ、懐に入り込めないでいるというか、

私のような女をお嫌いな感じなんですよね。

さて、どうやって落とそうかと、
日々、アプローチしてみています。

ちょっと、しっぽの先くらいが見えた気がするんだけど、
つかんでみると本体まで、えらい遠いというか、

山口茜ちゃんは、立派な演出家脳で作業を進めてくれています。

私は私の仕事を頑張らねば…。

今日もこれから、アプローチをかけてみるつもりです。
つかんだしっぽをぐっと引き寄せたい!と思っています。

とにかく、もう一つのお仕事、
宣伝も頑張らねばなりません。

席がいっぱいあるんです、またもや!
どうぞ、小説好きの方、宮本輝好きの方、朗読愛好者の皆さま、
そして、演劇好きの方!
よろしくお願いします!

詳細↓
http://blog.livedoor.jp/hitorigatari2001/archives/47232475.html
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# by futu-is-best | 2016-01-15 16:02 | 公演情報

12月23日のこと。

南河内万歳一座の俳優で音楽を作ってらした藤田達也さんのお別れ会に列席させてもらいました。

直接、お話したこともなく、
共演したこともないのに、
それでも、参加させてもらいたかった。

その場は、真実が満ちていて、
みんなの本当の心が満ちていて、
それだけで泣けてくる。

30年あまりを一緒に過ごす、
一緒に物を作る、
一緒に成長するということは、
凄いことだ。

こんな時間を、こんな場を作れる時間の濃さに泣けてくる。

万歳の芝居は、いつも演劇をするという心意気を教えてくれて、
集団の強さを教えてくれて、
こういうふうに、いつまでも子供みたいに演劇を遊び続けられたら最高!と思わせてくれる。
その芝居の大きな部分を支えてきた藤田さんを亡くした痛みと藤田さんへの尊敬と感謝が満ちていた。

ありがとうございました。
頑張らなきゃと思う。
つないでいかなきゃなと思う。
つないでいかなきゃ。

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# by futu-is-best | 2015-12-26 00:45 | 日記

いろいろ気づいたこと。

戦ったああ。
いろんなものと、戦った。

iaku 「walk in closet」…。

自分の身体、自分の心、自分の頭、自分の経験。
すべてと戦ったああ。

封じ込んだああ。
今までの自分の演技癖。

でも、これが、私の目指してきた俳優の仕事だったんだと思う。
他者を生きる。
その日その時その瞬間。
いつも新しく、今を生きる。他者として。

ありえないことだけれど、
俳優としては目指すべきことだと思ってきた。
そのためにレッスンしてきた。

でも、それをとことん求められる現場がなければ、
いつも、私のわかる範囲でしかやってなかったんだ。

おもしろかった。
現場が、自分が、今が。

こういう、芝居作りを目指す、iakuと、
横山拓也の本をとことん現場へ落とし込む、
上田一軒という演出家をもっと、たくさんの人に知ってもらいたいなあと思う。

一軒さんの言葉は、一軒語なので、
時々、現場に混乱をまきおこすけど、
私には、わかりやすかった。
てか、私もたぶんああいう言葉で、演出したり、レッスンしたりしているんだろう。

言葉ではすっきり切り取れないものを現出させたいわけで、
そこには、俳優の身体語がやっぱり不可欠で、
その身体語を持つために、
私たちはレッスンするんだと、改めて思う。

頑張ろう。もっと、なんか、ドキドキすることができるように。

そして、三重でのM-PADも終了した。
これがまた、新しい経験だった。
洞窟という、特殊な場所は、それだけで何かしらを連れてくる。
13:00本番で、10:30現場入りという慌ただしさだったけれど、
現場サイドの山中さんが、ちゃんと考えて仕込んでくれてたので、助かった。
意外な場所からからの地下水の滴りのおかげで、
空間の使いかたに奥行きができ、
新しい演出がポンと生れ出た。

夜は、照明の中を小さな羽虫が飛び、
その羽虫が、光り、まるで星の欠片が飛び回っているみたいな幻想的な風景も…。

自然の力を借りて、
iakuから連続する、私の身体のあり方が、
その日その時その瞬間にしかない「藪の中」を語りだした。

お客様はみな、喜んでくれた。
やれることを、懸命にやれば、きっと誰かが喜んでくれると思う。
自分に合ったやり方。
それで行くしかないんだと、52歳の私は確信するのだ。
もちょっと、早くわかりたかったけど、
このわかり方も、私に合ったわかり方だったのだろう。

さて、今日からまたいろんなことが日常に戻る。
日常をちゃんと生きような!
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# by futu-is-best | 2015-11-25 09:43 | 表現すること