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いい芝居を見た。いい芝居だった。

ファイスブックにも書いたけど、
また繰り返しています。

ノエル=カワード 作
高橋知伽江 翻訳
マキノノゾミ 演出
「秘密はうたう」

マキノファンか!
そう、たぶんマキノファンです。

兵庫県立芸術文化センターにて
良い芝居を見た。
とても良い芝居だった。
心と頭が美しくなった。
正直になるしかなくなった。

三田さんのセリフのトーンに圧倒されてたんだけど、
簡単な涙なんかじゃない。
複雑な複雑な人間の在り方をじっと見つめてきた結果、
滲み出す、涙が出た。





最後のセリフで、背中がゾワーッとなった。
本当に、鳥肌立った。

芝居ってこういうことじゃない?
って思う。

役者って、とても大事。
スターも大事かもしれないけど、
芝居に貢献する、
単純に、戯曲に忠実に考える、
役者って大切じゃないかな。

まずは、その力で、はかられるべきだよな、俳優の力量。
現実にはそうならないけど。

こういう芝居をもっと沢山の人に見てもらいたい。
芝居をやりたい人たちに、もっと。
役者というものが、どれほどの責任を持つものか…
どんな高みがあるのか…

しかし、カミーノは、適役です!
あのスタイル、あの声。
いないねえ。あんな人。

村井國夫さんさんが、カミーノに触った時、
わかったけどね。大筋の秘密…
しかし、それはそれは繊細な表現で、
それでしっかり匂わせちゃうんだから、困ったもんだっていうか、すんばらしい。

しかし、面白い戯曲。
良い役者。
繊細な演出。
贅沢な美術。

演劇は人間の力の寄り集まりの産物だから、
そして、その力が有機的に結合しないと、
マイナスになる危険な産物だから、
良いものが見られるっていうのは、
本当に、幸福な出来事なのだ。

幸福な舞台を一つでも多く、
いろんな人に見てもらいたい。
そして、人間の美しさを発見してもらいたい、と思うのだ。

演劇をやる事をって、なんなのかって
考えることも多い。

仕事になんてそうそうならない。
仕事にしちゃいけないこともある。

けど、なくちゃならないものでもある。

人間のやる事を、もう一回ちゃんと見直すために…
そして、その希望を確認するために、
演劇、いや、芸術はあるのだと思うのですが、
その山がどんどん、崩れて、低くなっている気がして…

俳優をもっと、自覚的に鍛えよう!
演劇を愛する人たちよ、
構造より、人に目を向けて、
俳優を、演出家を育てよう!

なんとかして…
なんとか…

頑張ろう。
その元気をくれる今日の芝居でした。

by futu-is-best | 2013-05-22 00:23 | 日記